抄録
細分化心房電気活動 (Fragmented Atrial Activity: FAA) に起因する不整脈の成因を明確にする目的で実験的検討を行った.麻酔開胸イヌ10頭の右心房自由壁円形小領域内に47対の双極電極を配置し, 主に中心電極に単発早期刺激を加えてエレクトログラムを記録して, 早期刺激による興奮に続き発現した自発性興奮の発現機序を検討した, アセチルコリン (ACh) 局所滴下前には10頭中1頭, 0, 1μM ACh滴下後には4頭, 1μM ACh滴下後には8頭において, 早期刺激による興奮に続き, マクロリエントリーによらない自発性興奮の発現を認めた.それらの記録につき, 自発性興奮の起点と8 (7) 隣接点のエレクトログラムの時間的関係ならびに形状を比較検討した結果, 自発性興奮はすべて隣接点のいずれかにおけるFAAを介するリエントリーにより生じたと判定された.FAAに起因する不整脈はFAA領域内での伝導遅延に基づくリエントリーによって起こり, FAAは不整脈の発生・維持に関与する可能性があると結論された.