心電図
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心房細動除細動後の心拍変動解析による心房細動再発予測
荒川 友晴渡邉 英一内山 達司竹内 浩史寺澤 敏昭童 茂清児玉 逸雄菱田 仁
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2005 年 25 巻 6 号 p. 479-487

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抄録

【目的】本研究の目的は, 心房細動除細動後の自律神経活動と心房細動再発の関連について検討することである.【方法】研究1 (後向き研究) : 対象は電気的除細動により洞調律に復した28例 (男/女=21/7, 68±12歳) である.電気的除細動直前より24時間ボルター心電図を記録して心拍変動解析を行い, 再発指標を求めた.研究2 (前向き研究) : 研究1の終了後に電気的除細動を行った20例 (男/女=14/6, 61±13歳) に対し, 研究1で求められた再発指標の精度を検討した.【結果】研究1: 電気的除細動後83±74日の観察期間に20例 (71%) が再発した.Receiver operating characteristic曲線より洞調律維持群と再発群を判別するカットオフ値を求め, 多変量解析を行ったところ, pNN50≧3% (オツズ比3.10, 95%信頼区間1.44~9.89) とr-MSSD≧13msec (オツズ比3.06, 95%信頼区間1.18~9, 49) が独立した再発指標であった, 研究2: 電気的除細動後126±80日の観察期間に7例 (35%) に再発を認めた, pNN50≧3%とr-MSSD≧13msecによる再発予測精度は, pNN50≧3%: 感度100%, 特異度38%であり, r-MSSD≧13msec: 感度86%, 特異度77%であった.【結論】心房細動除細動後に迷走神経レベル指標のpNN50やr-MSSDが高い症例は再発率が高く, pNN50とr-MSSDは心房細動再発予測に有用な指標と考えられる.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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