2006 年 26 巻 1 号 p. 56-64
【症例】62歳男性.【主訴】睡眠時無呼吸.【現病歴】非酸素吸入通常呼吸下 (以下, room air) と経鼻的酸素吸入下 (夜間のみ1, 3, 5L/分) に, 簡易型無呼吸検査と長時間心電図検査を同時に施行した, 酸素吸入の流: 量の増加に従いapnea hypopnea indexは48 (room air) , 9 (1L/分) , 6.4 (3L/分) , 6.1 (5L/分) と軽快, Room air時には発作性心房細動がみられたが酸素吸入にて消失し, 心房性期外収縮も減少した, 心房細動発症直前の周波数解析の結果, high frequency (HF) の急激な上昇から下降, それに重なるようなlow frequency/high frequency (LF/HF) の上昇がみられたが, 酸素吸入時にはこのような現象はみられなかった.したがって心房細動が抑制された機序には, HFの急激な変動の減少が関与していると考えられた, 【総括】夜間発症型の発作性心房細動には中枢型睡眠時無呼吸症候群を合併する症例があり, 酸素吸入が有効であった.