心電図
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Wavelet変換解析法の心電図QT計測への応用―T波頂点およびT波終末部計測による検討―
大無田 孝夫飯村 一哉三井 和幸柴田 仁太郎
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2006 年 26 巻 6 号 p. 803-809

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抄録

QT間隔の自動測定は, Q波からT波の頂点までの時間 (QaT) が代用されていた, しかし, QaTとQ波の開始からT波の終了まで (QTe) の関係はよく知られておらず, また適切なQT計測法は確立していない.本研究では我々の開発したWavelet変換解析法を取り入れたQT自動計測システムを用いてQaTとQTeを18例, 34, 559心拍の心電図波形より自動計測し, このうち1, 540拍 (全検討心拍数の4, 5%) を目視計測と比較した.また, 全心拍におけるQaTとQTeの関係を分布図および標準偏差を用いて評価した.その結果目視で確認したQaTおよびQTeは自動計測とほぼ一致していた.その結果全心拍におけるQaTとQTeの分布状態を求めると, QaTおよびQTeの標準偏差は平均それぞれ5.8msec, 5.1msecとわずかであった.全心拍におけるQaTおよびQTeの分布からQTe (msec) =0.9×QaT+102msec (標準誤差9.2msec) が求められた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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