2006 年 26 巻 Suppl4 号 p. 42-47
Brugada症候群の姉妹における2症例を報告する, 家族歴としては, 母親に心房期外収縮が多発し, 同胞 (男性) が31歳で就寝中に突然死している, 症例1 (次女) は現在39歳.10歳時より不整脈を指摘され, 13歳時に最初の失神を認めた, 明らかな心疾患はなく, 洞不全, 発作性心房粗動 (AFL) , 心室細動が確認された, ペースメーカー治療と薬物治療が行われたが, AFLによる症状が著明となり, 26歳時にカテーテルアブレーション (CA) による房室ブロック作成術を追加した.症例2 (長女) は現在46歳.明らかな既往歴はなかったが, 33歳時より動悸と前失神症状を認めるようになった.電気生理検査でAFLが誘発されたためCAを施行したが, 42歳時に明確な失神発作を認めた.この姉妹にピルジカイニド負荷を施行したところ, 右側胸部誘導のJ点上昇が誘発された.失神歴, 突然死の家族歴, ピルジカイニド負荷の結果より, Brugada症候群の家系と判断した.