心電図
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ホルター心電図法による健常人のII度房室ブロック (Wenckebach型) の検討
横井 昭菱田 仁大橋 進水野 康梶原 克祐嶋田 芳子
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1983 年 3 巻 1 号 p. 71-77

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抄録
健常人におけるII度房室ブロック (Wenckebach型) をホルター心電図法によって検討した。健常人161名における1回の24時間ホルター心電図記録で, 13名 (8%) にII度房室プロックが認められた。II度房室ブロックの出現数は1~72拍/24時間であり, 覚醒時に比べ睡眠時に有意 (P<0.001) に多かった。日を変えて繰り返しホルター心電図記録をした場合, II度房室ブロックの出現の再現性が高かった。II度房室ブロック出現に対するアトロピン効果は明らかでなかった。昼間に睡眠をさせ夜間は覚醒させた場合, 昼間睡眠時にII度房室ブロックが出現しており, 睡眠がその出現に大きく関与しているものと思われた。終夜ポリグラフにより判定した睡眠段階とII度房室ブロック出現の関係では, REM期に出現する傾向にあった。若年健常者のII度房室ブロックの発生には, 自律神経系機能が関係し, 洞結節の刺激発生頻度と房室刺激伝導能の不均衡によるものではないかと推察した。
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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