心電図
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洞房結節リエントリー性頻拍と、房室結節リエントリー性頻拍を合併した1例
桜田 春水岡村 樹家城 恵子柳瀬 治江尻 成昭川越 康博渡辺 浩二本宮 武司平岡 昌和
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1984 年 4 巻 1 号 p. 51-57

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抄録
電気生理学的検査により, 洞房結節リエントリー性頻拍 (SANRT) と, 房室結節リエントリー性頻拍 (AVNRT) を誘発し得た1例を経験した。SANRT中の, P波の型状, 心房マッピングによる心房内興奮順序・心房内伝導時間は, 洞調律時のそれらと同様であった。心房早期刺激法により, 二重房室結節伝導路が認められ, AVNRTが誘発された。SANRT中に, AH時間の短い時 (約120msec) と長い時 (約275msec) が認められ, 前者ではfastpathwayを, 後者ではslow pathwayを房室伝導路として利用しているものと思われた。二重房室結節伝導路を有し, SANRT中に, AH時間の長短を認めた例は, 検索した限りでは, 本例が最初の症例と思われる。
SANRTの予防, AVNRTの停止および予防に, Ca拮抗剤であるジルチアゼムが有効であった。
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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