心電図
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4 巻, 1 号
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  • 真柴 裕人
    1984 年4 巻1 号 p. 1-2
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 星宮 望
    1984 年4 巻1 号 p. 3-10
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    生体電気信号計測用電極, その内でも体表面用金属電極を中心として, 計測上問題となる基本的事項について述べている。すなわち, (1) イオンと電子との電荷の授受プロセスによる分極性電極と不分極性電極との直流的な電圧・電流特性の相異と静止電位の安定性, (2) 電極の交流的な特性として電極インピーダンスの性質, (3) 電極インピーダンスの実数部の大きさに比例する熱雑音と, 界面の不安定性に起因する過剰雑音および直流電流が流れることによる過剰雑音, について述べている。
    次いで, 電極と共に, 生体一機器間のインターフェースとして重要な皮膚の電気的特性とその等価回路表示法について述べている。さらに, 生体電気信号―皮膚―電極―増幅器系の伝達特性についての考え方と, 金属以外の電極についても簡単にふれている。
  • ―体表面電位図のIsointegral analysis―
    大山 武紹, 久保田 功, 渡辺 佳彦, 立木 楷, 安井 昭二
    1984 年4 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Treadmill負荷前後に記録した体表面電位図から求めたQRST isointegral mapの労作性狭心症診断への臨床的有用性を検討した。対象は労作性狭心症患者男性29名 (AP群) で, 健康成人男性20名 (N群) を対照とした。Sheffield変法に従い, submaximal treadmill負荷を施行, その直前と負荷後1分半に仰臥位, 安静呼気位にて記録を行った。N群のQRSTisointegralmapは, 極大が左前胸部, 極小が右前胸部上方に存在するスムーズな双極性のパターンを示し, 負荷前後でほとんど差を認めなかった。AP群のQRSTisointegral mapは, 負荷により種hのパターン変化を示した。この変化は、正負領域の分布様式および極大・極小の数により2種類の分類 (A, B, C型およびS, M, I型) が可能であった。N群は全例A型およびS型を示したが, AP群では29例中20例 (69%) がN群と異なる型を示し, これらの型には多枝病変例が高率に存在した。また, M型および1型では全例負荷により心室性期外収縮の発現をみた。
  • ―ベクトル心電図、体表面電位図との比較―
    河村 剛史, 柴田 仁太郎, 高橋 良明, 松本 直行, 和田 寿郎
    1984 年4 巻1 号 p. 19-24
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    スカラー心電図上, 心室内伝導障害を示した3例に対して術中心表面マッピングを行い, ベクトル心電図, 体表面電位図との比較を行った。
    症例1は心房中隔欠損症例 (15歳男) で, スカラー心電図上, 不完全右脚ブロックを示したが, 心表面マッピングでは中枢性右脚ブロックを示した。症例2ではマルファン症候群に漏斗胸を合併した例 (13歳男) で, スカラー心電図上, 不完全右脚ブロックを示したが, 心表面マッピングでは末梢性右脚ブロックを示した。症例3は僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症、肺高血圧症合併例 (37歳男) で, スカラー心電図上, 心室内伝導障害, 左軸偏位を示したが, 心表面マッピングでは左脚本幹ブロックであった。
    心室内伝導障害の診断には心表面マッピングが最も有力な診断法であるが, 心表面マッピング所見は体表面電位図によく反映されていた。
  • 平賀 隆, 中屋 豊, 仁木 敏晴, 森 博愛, 桧澤 一夫
    1984 年4 巻1 号 p. 25-33
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    生前の心電図にて平均QRS軸―45度以上の左軸偏位を示した12例の房室伝導系を連続切片法を用いて, 組織学的に検討した。
    左脚は左室中隔面に扇状に広がり, 形態的に単純に2枝あるいは3枝系とはみなせなかった。左脚における組織学的病変は主としてその前部から中部領域に認められ, 前部に限局して認められた例は稀であった。このことから左軸偏位の成因には左脚前部から中部領域にかけての広汎な伝導障害が関与することが示唆された。
    以上より, Rosenbaumらの提唱したヘミブロック説は心室内伝導障害を理解する上で便利な概念であるが, ヘミブロックという表現は不適当であり, 左脚分枝ブロックに関して左脚の形態に基づいて再検討する必要があると考えられた。
  • 栗田 明, 里村 公生, 高瀬 凡平, 荒川 宏, 渋谷 利雄, 菅原 博子, 水野 杏一, 細野 清士
    1984 年4 巻1 号 p. 35-41
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    約4年間に当院でおこなったトレッドミルテスト2, 025例のうち, 冠動脈造影を施行した420例より81例を選び冠動脈の狭窄度, 左心機能, 負荷中の心拍数の変化などにつき分析した。その結果, 多枝障害 (MVD) 群のST segmentは, 1枝障害 (1VD) 群, 正常群と比較して有意に低く, かつ運動負荷時間は短かった。一方運動負荷中に心拍数の増加をそれほど伴わないCI群をgroup I (85%>MHR≧75%, n=14) , とgroup II (MHR<75%, n=18) に分類すると, group IとIIはnormal response group (MHR≧85%, n=49) と比較して, ST segmentや運動負荷時間には有意の差は認められなかったが, 左室造影2分後のLVEDPの値や, 冠動脈狭窄の障害頻度は高かった。なお冠動脈狭窄以外のCI群の13例中7例までに冠危険因子や不整脈を有していた。したがって運動負荷中の心拍数の増加が負荷量のわりに緩徐なCI群については, 冠危険因子の有無や心電図変化につき検討する必要があると思われる。
  • 平尾 見三, 諸井 幸夫, 鈴木 文男, 佐竹 修太郎, 比江嶋 一昌
    1984 年4 巻1 号 p. 43-50
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    WPW症候群11例 (顕在性WPW症候群6例, 潜在性WPW症候群5例, 平均42歳) に合併する房室リエントリー性頻拍 (A-V reentrant tachycardia, 以下AVRT) に対して, aprindine hydrochlorideを静脈投与し, その前後で電気生理学的検査を施行した。静注aprindineのAVRTに対する頻拍停止および誘発阻止効果, 頻拍周期への影響を検討し, 次の成績を得た。 (1) 持続性AVRT10例中8例に対して, 頻拍中aprindineを投与したところ, 全例Kent束ブロックにより頻拍停止に至った。 (2) 早期刺激法にて誘発されたAVRT 10例中5例で, aprindine投与後誘発不能となった。 (3) 投与後も誘発可能の5例中2例では頻拍持続時間の短縮が, また残る3例では頻拍周期の延長がみられた。以上より, aprindineはWPW症候群におけるAVRTに, きわめて有効と考えられる。
  • 桜田 春水, 岡村 樹, 家城 恵子, 柳瀬 治, 江尻 成昭, 川越 康博, 渡辺 浩二, 本宮 武司, 平岡 昌和
    1984 年4 巻1 号 p. 51-57
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    電気生理学的検査により, 洞房結節リエントリー性頻拍 (SANRT) と, 房室結節リエントリー性頻拍 (AVNRT) を誘発し得た1例を経験した。SANRT中の, P波の型状, 心房マッピングによる心房内興奮順序・心房内伝導時間は, 洞調律時のそれらと同様であった。心房早期刺激法により, 二重房室結節伝導路が認められ, AVNRTが誘発された。SANRT中に, AH時間の短い時 (約120msec) と長い時 (約275msec) が認められ, 前者ではfastpathwayを, 後者ではslow pathwayを房室伝導路として利用しているものと思われた。二重房室結節伝導路を有し, SANRT中に, AH時間の長短を認めた例は, 検索した限りでは, 本例が最初の症例と思われる。
    SANRTの予防, AVNRTの停止および予防に, Ca拮抗剤であるジルチアゼムが有効であった。
  • 三井 毅, 向井 恵一, 九沢 豊, 鎌田 栄一郎, 三崎 拓郎, 岩 喬
    1984 年4 巻1 号 p. 59-64
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    洞調律時の心電図ではデルタ波などの心室早期興奮所見を示さないにもかかわらず, 幅広いQRS波を伴なう規則正しい頻拍発作を呈する17歳の男性に対し, 電気生理学的検査を行い, 以下の所見より順伝導時間の遅い副刺激伝導路を有するW-P-W症候群と診断し, 頻拍発作は副刺激伝導路を順行し正常伝導路を逆行する, いわゆるantidromicな回帰性頻拍であった。1) 右房早期刺激中, 刺激間隔の短縮につれてA-H時間が延長したがA-V時間が一定, 2) 心室早期刺激中, 刺激間隔の短縮につれてV-A時間は延長, アトロピン投与後は延長の程度が減少, ベラバミル投与後は早期にV-A伝導消失, 3) 心室刺激中および頻拍発作中の室房伝導の順位はHis東部が最も早かった。以上を診断したうえで, 副刺激伝導切断術を施行, この症例を根治せしめた。
  • 1984 年4 巻1 号 p. 73-90
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年4 巻1 号 p. 95-116
    発行日: 1984/01/01
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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