スカラー心電図上, 心室内伝導障害を示した3例に対して術中心表面マッピングを行い, ベクトル心電図, 体表面電位図との比較を行った。
症例1は心房中隔欠損症例 (15歳男) で, スカラー心電図上, 不完全右脚ブロックを示したが, 心表面マッピングでは中枢性右脚ブロックを示した。症例2ではマルファン症候群に漏斗胸を合併した例 (13歳男) で, スカラー心電図上, 不完全右脚ブロックを示したが, 心表面マッピングでは末梢性右脚ブロックを示した。症例3は僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症、肺高血圧症合併例 (37歳男) で, スカラー心電図上, 心室内伝導障害, 左軸偏位を示したが, 心表面マッピングでは左脚本幹ブロックであった。
心室内伝導障害の診断には心表面マッピングが最も有力な診断法であるが, 心表面マッピング所見は体表面電位図によく反映されていた。
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