心電図
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虚血性心疾患におけるQT時間の日内変動
大西 茂明斎藤 大治長花 晴樹安部 行弘庵谷 文夫森近 豊今滝 健介谷 秀樹吉田 英紀原岡 昭一長島 秀夫
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1985 年 5 巻 6 号 p. 793-798

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抄録
虚血性心疾患患者を対象にCM5誘導を用いたHolter心電図を使用して, QT時間の日内変動を検討した。CM5誘導から得られたQT比は標準12誘導からのQT比とよく一致した。また体位変換により, 座位および立位のQT比は臥位より大きい値を示したため, QT比の日内変動の検討は, 行動記録から臥位と考えられる時点のみを用いて行った。
対照として用いた健常人では, QT比は0時から12時の午前中に小さく, 午後には増大した。これに対して虚血性心疾患患者のQT比は一日中あまり変動せずに大きな値を示し, 午前, 午後とも健常人の午後に近い値が持続した。以上より虚血性心疾患患者では, 健常人に比較してQT比は夜間から正午にかけて延長しており, これが重篤な不整脈出現の一因となる可能性が示唆された。
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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