抄録
VVIペースメーカ植込み患者9例で運動時QT間隔の変化を検討し, 以下の結果を得た。 (1) PP間隔が全例一様に短縮したのに対し, QaT間隔*の変化は症例による差異が大きく, 運動開始後1分間はわずかに延長する傾向を示し, 最大運動時または運動中止後1分で有意な短縮を示した。 (2) QaTまたはQT間隔の短縮とPP間隔の短縮との間には有意な相関をみとめなかった。
従って, QaT間隔は必ずしも運動時至適心拍数の指標とはいえず, これを応用したVTIペースメーカの適応は, 個々の症例で運動時QaT間隔の変化を検討した上で決めるべきであろうと考えられた。