心電図
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ホルター心電図法による上室不整脈の日内変動・日差変動に関する検討
―薬効評価法の試みを含めて―
古屋 秀夫田辺 晃久
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1986 年 6 巻 3 号 p. 253-259

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抄録
上室不整脈 (SVPC) 67名でホルター心電図 (DCG) を用い, SVPCの日内・日差変動, 心疾患の有無による差および加齢の影響を検討した.SVPCは日内変動型から昼型, 夜型, 昼夜型に分類され, 頻度はそれぞれ49%, 13%, 37%であった.心疾患の有無, 老年・非老年にかかわらず各日内変動型の出現頻度に差はなかった.1~3週間隔における2回DCGでの24時間SVPC数は全体としては相関はなかった.しかし2回目記録でSVPC数が著明に変動した1例を除くと, 昼夜型で1日SVPC数7200個以上例では有意の正相関 (p<0.001) があった.SVPC自然変動の95%信頼限界は30%の減少率に, 99%信頼限界は35%の減少率に相当した.
以上よりSVPCの日内変動型は, 心疾患の有無や加齢により影響されないことが明らかとなった.DCG法による抗不整脈薬評価では, 1日SVPC数7200個以上の昼夜型で安定出現例を選べば, 30%以上減少があれば有効と考えられた (95%信頼限界) .
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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