心電図
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QRS area mapの有用性に関する実験的検討
―VAT mapとの比較―
近松 均菱田 仁加納 裕松山 裕宇安井 直水野 康
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1987 年 7 巻 2 号 p. 169-181

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抄録

各誘導でのQRS波の電位を時間積分することによって得られるQRS area mapは, ある限界内ではventricular activation time (VAT) mapと相関すると考えられる.そこで雑種成犬16頭を用い, 洞調律時と左右心室心内膜ペーシング時の心表面及び体表面mapを作成し, QRS areamapとVAT mapを比較した.16頭中3頭においては心外膜上の多数点でペーシングを行い, それぞれの体表面mapを作成し, QRS area mapの特性についても検討した.その結果, 心表面QRS area mapは心表面VAT mapと類似し, 興奮伝播過程の推定に用いうると考えられた.体表面QRS area mapは体表面VATmapに比しペーシング時の刺激部位の局在化がより容易であり, 心室性期外収縮の発生部位の推定に有用な方法と考えられた.QRS area mapは, 波形計測上の再現性においても, VAT mapより優れていると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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