心電図
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Late potentialsと心室性不整脈重症度に関する検討
―ART model 101 PCによる評価―
米田 直人小林 克也金田 真一伊藤 成規井上 智夫福崎 恒
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1987 年 7 巻 2 号 p. 183-189

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抄録

体表面心電図より1ate potentials (LP) を検出する装置ART model 101PCを用い, LPと心室性不整脈の重症度の関連を検討した.LPの有無は体表面X, Y, Z, 双極誘導からの電位を加算平均し, 25~250Hzの帯域濾波して得たfiltered vector magnitudeの終わり40msの平均値 (V40) の値で判定した.V40は非心室性頻拍 (non-VT) 群: 98.9±71.6μV, 非持続型心室性頻拍 (ns-VT) 群: 59.0±36.6μV, 持続型心室性頻拍 (s-VT) 群: 24.7±26.4μV, の順に小さく, 各群間に有意差を認めた.ns-VT群内及びnon-VT群内では心室性不整脈の重症度とV40値とは関連を認めなかった.基礎心疾患別の分類では何れの基礎心疾患においてもnon-VT群, ns-VT群, s-VT群, の順にV40値は小であった.V40≦15μVをLP陽性の基準とした場合, LPのs-VTに対するpredictive accuracyは94%, sensitivity71%, specificity97%でありs-VTの予測にLPが有用であると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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