心電図
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6. Silent ischemiaに対するホルター心電図法の応用
岸田 浩鈴木 健斉藤 勉畑 典武大津 文雄金子 ひろ子猪口 直美木内 要
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1988 年 8 巻 2 号 p. 181-185

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抄録

狭心症患者における一過性有症候性および無症侯性虚血発作の臨床的意義を明らかにするために, 狭心症127例を対象とし, ホルター心電図法を用いて検討した.対象は発作の誘因と発作時心電図により労作型, 労作兼安静型, 安静型および異型狭心症の4型に分類した.各狭心症における虚血発作のうち有症候性よりも無症候虚血発作の頻度が多かった.虚血発作出現の好発時間は労作時発作を有するタイプでは午前中・日中に, 安静時発作型では早朝に多く, 狭心症のタイプにより異なった.ST偏位度およびST偏位持続時間は各狭心症にて無症候性虚血発作よりも有症候性虚血発作にて増大・延長した.以上より, 狭心症における虚血発作出現様式は各狭心症にて異なり, 有症候性と無症候性虚血発作間にて臨床的意義の異なることが示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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