心電図
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各種心疾患群における体表面電位図の至適誘導点の検討
永井 弘渡辺 佳彦石原 正人真野 謙治三ツ口 文寛安保 泰宏中野 博高亀 良治水野 康
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1988 年 8 巻 6 号 p. 747-761

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抄録

体表面電位図は従来の標準12誘導心電図, ベクトル心電図に比して多くの心臓の電気情報を持つがその実際の施行時の繁雑さ, 装置の価格等の問題が一般的な普及を妨げている.
そこで各種心疾患について体表面電位図の簡略化のため従来の方法より電気情報を失うことなく誘導点数を可能な限り削減することを試みた.
健常例のbreakthrough認識には2~12誘導点を必要とした.各群の原電位図に対し推定電位図が十分高い相関係数をとり, かつ十分低い誤差となるために必要な誘導点数は, 健常例で32, 心筋梗塞群で32, 脚ブロック群で36点であり, 各群の誘導点の分布には本質的な差異は無いものと考えられた.
疾患別に選んだ至適誘導点を統合することにより各種心疾患に適応できる統一した誘導法を決定できる可能性が示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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