わが国は, 戦後順調な経済発展を遂げ, GNPではアメリカに次いで自由世界第2位の経済大国に成長した。このことは, 貿易や経済運営を通じ, わが国の動向が世界経済に大きな影響を及ぼすことを意味している。世界経済の停滞が長引き, 世界経済の安定的発展への展望が見失われつつあるなかで, 保護貿易主義的圧力が高まっているが, 現在欧米先進国との間で貿易摩擦問題をかかえているわが国にとっても, 世界経済の活性化を通じ, 自由貿易の維持, 世界経済の安定的発展の確保を図ることは極めて重要な課題となる (昭和57年版通商白書通商産業省編P5～6) 。
このような国際化の時代に, いかに対応したらよいか?まず産業全体の問題と考えると, 余りに多方面にわたっていて, 僅少な紙面では, まとまりのないものとなるおそれがある。そこで日本工業教育協会の目的とする工業教育に限定し, さらに次の2項に絞って特集号とした。
a.国際化時代に通用するエンジニアの育成
b.外国人学生の教育 (工学系)
