工学教育
Online ISSN : 1881-0764
Print ISSN : 1341-2167
ISSN-L : 1341-2167
加速器教育実験における実験要素ブラックボックス最少化施策とその評価
岩崎 信最上 忠雄小野寺 清勝藤澤 政則坂本 隆司
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 48 巻 6 号 p. 17-24

詳細
抄録

物理実験等では,用いる装置の構成要素や物理過程がブラックボックス化しやすい.これが実験の重要ポイントの理解を妨げ,いわゆる消化不良現象につながることがある.加速器教育実験は,用いるシステムが複雑で,多様な物理過程が関与する内容のため,よりその状況に陥りやすい.この実験の実施にあたって,以下のようなブラックボックス最少化のための諸施策を試み,極めて有効であった:予備レポート提出,レポート提出時の質疑応答,豊富な視覚情報の提供(加速器見学,テキスト中の実験装置の豊富なカラー写真,運転中のビーム形状のCCDカメラ映像),加速ビーム操作実習の重視,小型高圧回路(コッククロフト回路)製作と特性測定.特に殆ど自主的に予習をすることのない現代の学生にたいし,それを適切に促すことと質疑応答が極めて重要であった.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本工学教育協会
前の記事 次の記事
feedback
Top