2024 年 69 巻 3 号 p. 205-217
本研究は注意焦点・認知的方略と運動実施目的との関係について調査した.運動実施目的として,競技力・体力の向上,健康の維持・増進,スタイル・体重の維持,痩せること・減量,ストレス発散・気晴らしの5つを設定した.注意焦点・認知的方略はBrick et al.6)に基づき,internal sensory monitoring, active self-regulation, outward monitoring, active distraction, involuntary distractionとした.本研究の結果,有酸素性運動中に使用する注意焦点・認知的方略は運動実施目的によって異なることが示された.この結果,注意焦点・認知的方略は運動実施目的の影響を受け,注意焦点・認知的方略の効果は運動実施目的によって変化する可能性が示唆された.今後,注意焦点・認知的方略の効果を検証する際は,運動実施目的を考慮する必要がある.