日本環境感染学会誌
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報告
当院における抗菌薬適正使用に対する医師の意識調査
徳井 健志佐々 弥栄子田村 秀代川島 誠
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2008 年 23 巻 3 号 p. 206-212

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抄録

  抗菌薬における耐性菌の発現防止には,薬剤師による抗菌薬適正使用の確立に向けた積極的な参画が必要とされる.そのためには医師の抗菌薬使用に対するコンセプトを把握する必要があると考え,医師の抗菌薬使用時の基本的な考え方についてアンケート調査を行った.その結果,73%の医師が添付文書に基づいて使用しているものの,67%の医師が細菌培養・感受性検査を行っていないことが判明した.その理由は,38%の医師が手術・検査の予防投与のため,26%の医師が外来・救急外来などの軽症例のためと回答している.また,投与期間としては3日間または7日間と決めている医師が62%を占めていたが,21%の医師は明示していなかった.一方,感受性検査結果を待たずに第4世代セフェム抗菌薬やカルバペネム系抗菌薬を使用するとの医師が52%を占めていた.本結果を踏まえ,我々は抗菌薬使用適正化小委員会において,抗菌薬の適正使用を目指した医師への教育方法を検討する予定である.

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© 2008 一般社団法人 日本環境感染学会
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