日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
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原著論文
当院におけるバンコマイシン耐性腸球菌の院内伝播事例
前原 依子下野 信行内田 勇二郎小川 栄一大田黒 滋金本 陽子村田 昌之松本 裕子権藤 多栄林 純
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キーワード: VRE, 院内伝播, 接触予防策
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2008 年 23 巻 5 号 p. 327-331

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抄録

  2004年3月当院のX病棟入院中の患者よりVanB型のvancomycin-resistant E. faeciumが検出され,その後8月までに計6名から分離された.3名はそれより以前に分離された腸球菌が,誤ってVanC型疑いvancomycin-resistant E. casseliflavusと報告され,感染対策がなされていなかった.PFGE法による分子疫学的解析により,6名から分離されたVREはほぼ同一起源と考えられ,院内伝播が示唆された.VREが検出された患者は,全例女性でADLは良好,大部屋入室歴があり共用の洋式トイレを使用していた.保菌者との同室歴がないものがいたことから,トイレを介する伝播も原因の一つと考えられた.接触予防策,トイレ環境の整備,手指衛生の徹底などで,院内伝播は収束した.

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© 2008 一般社団法人 日本環境感染学会
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