日本環境感染学会誌
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在宅ケアの感染管理に関する研究の動向と今後の課題
—1992~2006年の国内文献から—
前田 修子滝内 隆子小松 妙子
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2008 年 23 巻 5 号 p. 350-354

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抄録

  本研究の目的は,在宅ケアの特性を踏まえた感染管理の確立を目指す上で必要とされる研究論文について解析することである.1992~2006年の15年間に学術誌もしくは商業誌に掲載された在宅ケアにおける感染管理に関する文献69件の掲載年次,研究方法,対象,データ収集方法,研究内容を整理し,集計した.掲載年次と掲載数は1年あたり0~12件で近年増加傾向であった.論文分類は,研究内容による分類では「記述的研究」,仮説検証法による分類では「実験的研究」の方が多く実施されていた.研究対象は「療養者」が多かった.データ収集方法は「細菌学的検討によるデータ収集」が多かった.研究内容は,広く在宅ケアにおける感染管理全般に関することが取りあげられ,「感染管理の基礎的技術」「医療処置における感染管理」が多い傾向であった.今後は,対象やデータ収集方法を拡大しつつ,「記述的研究」の結果をもとに「分析的研究」が望まれる.

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© 2008 一般社団法人 日本環境感染学会
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