日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
原著論文
ATP測定法を用いた歯科医師着用の歯科用ゴーグルと眼鏡の清浄度調査
佐藤 法仁渡辺 朱理苔口 進大原 直也
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 25 巻 2 号 p. 79-84

詳細
抄録

  ATP測定法を用いて,歯科医師が着用している歯科用ゴーグルと眼鏡の清浄度調査を実施した.
  歯科診療の環境で歯科用ゴーグルのレンズ部表面は,診療開始前は平均11 RLU(Relative Light Unit)であったが,診療1時間後には平均11,638 RLUに増加していた(t検定:p<0.05).これは比較対象とした勉強会1時間後の平均値46 RLUよりも,有意に清浄度が悪化していた(p<0.05).また,眼鏡のレンズ部裏面は,診療開始前は平均7 RLUであったが,診療1時間後には平均306 RLUに増加していた.これは,歯科用ゴーグルの同部分より57 RLUも有意に清浄度が悪化していた(p<0.05).
  歯科医師が眼部の感染予防対策としては,眼鏡は防護具としては完璧なものではなく,歯科用ゴーグルを着用することが望ましい.また,ATP測定法による清浄度調査は簡便で迅速であるため,歯科診療における感染予防対策に有効活用できると考える.

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top