日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
報告
訪問看護師対象の感染管理に関する在宅人工呼吸器研修会への参加効果
小松 妙子前田 修子滝内 隆子
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 26 巻 1 号 p. 41-48

詳細
抄録

  全12回から成る“訪問看護師を対象とした感染管理教育プログラム”の12回目として『在宅人工呼吸器感染管理研修会』を,2ヶ所の訪問看護ステーション訪問看護師15名を対象に開催し,学習効果を検証した.研修会は,2ヶ所共に平日の夕方1時間で開催した.学習効果検証のため,在宅人工呼吸器の感染管理に関する知識・技術34項目の修得度を研修会前(「事前修得度」)と研修会後(「事後修得度」)に調査し,変化を分析した.修得度は項目毎に,{全くできない}1点~{十分できる}5点として平均値を算出した.事前と事後修得度の比較にはWilcoxonの順位和検定,各修得度と訪問看護師属性との比較には,Spearmanの順位相関係数を用いた.結果,修得度の全体平均は,事前修得度3.1点から事後修得度4.1点に上昇した.項目別修得度は,全項目において事後に上昇した.参加者個人の事前から事後の修得度は,全項目において「上昇」群の割合が「変化なし」・「低下」群より高かった.以上より,研修会は学習目標達成に効果があったと評価できる.今後は,修得度が低かった項目について,学習内容・方法の検討が必要と考える.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事
feedback
Top