日本環境感染学会誌
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原著論文
ゲル状速乾性手指消毒剤の適正な擦り込み量に関する検討
中川 博雄松田 淳一栁原 克紀安岡 彰北原 隆志佐々木 均
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2011 年 26 巻 1 号 p. 8-12

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抄録
  消毒剤の効果の要因の1つは,微生物と薬液の接触時間に依存する.そのため,速乾性手指消毒剤のゲル製剤およびリキッド製剤をそれぞれ3 mL擦り込んだ場合,ゲル製剤の方が長い時間を要することから,ゲル製剤はリキッド製剤に比べ,少ない擦り込み量で十分な擦り込み時間と消毒効果が得られる可能性が考えられる.本研究では0.2 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有エタノールゲル製剤の擦り込み量を変えて,リキッド製剤と消毒効果を比較検討した.その結果,ゲル製剤は1 mLでリキッド製剤3 mLと同等の効果を示した.さらに16種類のゲル製剤およびリキッド製剤について,揮発による重量変化率を測定した.ゲル製剤はリキッド製剤に比べて重量変化率が低く,粘度との間に相関を示した.
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© 2011 一般社団法人 日本環境感染学会
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