日本環境感染学会誌
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報告
抗菌薬使用量調査に関するアンケート調査~ATC/DDDシステムと AUD の意識調査~
岡西 康治藤田 敬子寺沢 匡史長尾 晋路田中 義人河合 実森本 明美池田 久雄井上 都濱口 良彦
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2011 年 26 巻 5 号 p. 316-320

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抄録
  抗菌薬の適正使用において抗菌薬の使用量調査は重要であるが,地域間でのサーベイランスはほとんど行われていない.現在では,この問題を解決できるanatomical therapeutic chemical classification/defined daily dose(以下,ATC/DDD)システムとantimicrobial use density(以下,AUD)という抗菌薬使用量調査ツールが用いられている.今回,我々は大阪感染制御薬剤師講習会でATC/DDDシステムとAUDの意識状況のアンケート調査を行った.結果は,ATC/DDDシステムとAUDは広く認知されていなかった.しかし,測定単位を統一した方がよいとの意見やATC/DDDシステムとAUDを使用することで既成の単位で求めた使用量では困難な施設間比較ができることからATC/DDDシステムは抗菌薬の使用量調査に貢献できる手段となりうる.今後は,既成の単位で求めた使用量をAUDに自動換算できる簡便なシステムを構築するなど運用性を高め,地域間でのサーベイランスの普及に努めていきたい.
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© 2011 一般社団法人 日本環境感染学会
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