日本環境感染学会誌
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報告
病院調理従事者におけるノロウイルス対策 —迅速抗原検査とリアルタイムPCR検査の比較—
北川 誠子藤井 哲英二宮 洋子河口 豊平田 早苗東田 志乃寺田 喜平
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2015 年 30 巻 6 号 p. 418-421

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抄録

  調理従事者からのノロウイルス感染集団発生は,特に病院などでは注意が必要である.病院調理従事者のべ370便検体について,イムノクロマト法による迅速抗原検査を実施した.またその1ヶ月以内に本人で嘔吐下痢症状のあった職員および陽性者はリアルタイムPCRで測定した.その結果,迅速抗原検査の陽性者はいなかったが,リアルタイムPCR法で2/44名が陽性であり,陰性化するまで1ヶ月以上かかった.迅速抗原検査法は簡便であるが,無症状の健康成人に対するスクリーニング検査では漏れのある可能性を示した.スクリーニングよりも現場で手指衛生の教育や徹底が重要である.

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© 2015 一般社団法人 日本環境感染学会
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