総説
術後感染予防抗菌薬の適正使用
キーワード:
予防抗菌薬
2016 年 31 巻 2 号 p. 87-91
Correction : Japanese Society for Infection Prevention and Control : Vol. 31 (2016) No. 4 pp.269-269詳細
2016 年 31 巻 2 号 p. 87-91
Correction : Japanese Society for Infection Prevention and Control : Vol. 31 (2016) No. 4 pp.269-269
術後感染予防抗菌薬の目的は手術部位感染(SSI)の予防であり，遠隔部位感染を含むSSI以外の術後感染性合併症は対象としていない．手術を行う部位に常在する細菌をターゲットとし，広域スペクトラムを有する抗菌薬を使用しない事が原則である．術後感染予防に用いられる抗菌薬は，清潔創手術に対してはcefazolin(CEZ)あるいはsulbactam/ampicillin(SBT/ABPC)が推奨される．準清潔手術では，cefotiam(CTM)，第2世代のセファマイシン系薬であるcefmetazole(CMZ)，オキサ型のflomoxef(FMOX)，あるいはCEZとmetronidazole(MNZ)の併用が推奨される．投与開始のタイミングは手術開始前1時間以内が推奨される．投与量・再投与は体重や腎機能によって調節が必要である．投与期間は術後24時間以内投与が基本である．
