日本環境感染学会誌
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報告
二酸化塩素ガス放散製剤のインフルエンザウイルス不活化および黄色ブドウ球菌殺菌能の検証―低湿度環境表面での検討―
西村 秀一
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2017 年 32 巻 3 号 p. 131-134

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抄録

ウイルスの不活化や殺菌効果を標榜する,据え置き芳香剤型の剤型で二酸化塩素ガスを放散させる製品の,環境表面上の病原体に対する同効果の有無を検証した.本邦の冬の生活空間を想定した室温20℃,相対湿度25%の密閉空間を,製品から放出されたガス濃度が0.03 ppmになるよう調整した.その中に,スライドグラスの上に一定量のA型インフルエンザウイルス溶液あるいはStaphylococcus aureus菌液を滴下し短時間で自然乾燥したものを置き,2時間後に回収し一定量のメディウムで洗い流し,活性ウイルス量や生菌数を測定した.その結果,当該条件下でガスの曝露を受けた検体での活性ウイルス/生菌量は,曝露のない対照のそれと変わらなかった.

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© 2017 一般社団法人 日本環境感染学会
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