日本環境感染学会誌
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原著
血流感染予防のための完全埋め込み型中心静脈アクセスポート管理に関する検討
住田 千鶴子矢野 久子安岡 砂織尾上 重巳
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2018 年 33 巻 3 号 p. 103-110

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抄録

近年,外来や在宅などで管理することが可能な完全埋め込み型中心静脈アクセスポート(totally implantable central venous access port:CVポート)を使用してがん化学療法などを行う患者が増加している.本研究の目的は,CVポート留置患者の血流感染予防のために,CVポートの合併症と管理の実態と課題を明らかにすることである.

対象患者は,52名であった.CVポート合併症は,4名に発症し,全員がCVポートを抜去した.内訳は,中心ライン関連血流感染(central line associated bloodstream infection:CLABSI),皮下ポケット感染,皮膚欠損(CVポートの露出),カテーテル閉塞が各1名であった.CLABSI,皮下ポケット感染は,それぞれ1,000カテーテルあたり0.50であった.感染ありと感染なしの比較では,穿刺部の薬剤血管外漏出と皮膚障害,その両方の経験に統計学的有意差があった.累積使用率は,薬剤血管外漏出と皮膚障害ありとそれ以外で統計学的に有意差があった.薬剤血管外漏出と皮膚障害がCVポート関連血流感染に関与していることが示唆された.CVポート関連血流感染防止のためには,薬剤血管外漏出の防止と皮膚管理が重要である.CVポートに関する正しい知識と訓練を医療従事者の現場教育に組み入れることが急務な課題である.

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© 2018 一般社団法人 日本環境感染学会
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