日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
報告
看護学生のユニフォーム交換における認識や行動の実態とユニフォームの細菌汚染
岡山 加奈植村 直子金嶋 悠莉荻 あや子荒川 満枝
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 33 巻 6 号 p. 276-284

詳細
抄録

本研究では,看護学生の進級に伴うユニフォーム交換の認識や行動の実態とユニフォームの細菌汚染を明らかにすることを目的とした.ユニフォームの着用日数は3日と高学年が最も長く,理想とする着用日数が1日と回答した学生は,低学年が78.0%と最も多かった.ユニフォーム19着の着用後とその洗濯後の細菌汚染について,着用1日群と2日以上群で細菌数を比較すると両群とも新品より有意に増加した.洗濯後の細菌数は,両群とも着用後より有意に減少したが,2日以上群では新品より細菌数が多かった.検出された菌種は,着用後と洗濯後において両群とも類似していたが,洗濯後の2日以上群はMicrococcus spp.やS. hominisの検出が多かった.Staphylococcus spp. 31株のうち,S. aureus 1株はMSSAであったが,その他Staphylococcus spp.の薬剤耐性率は,S. cohniiが100%,S. capraeS. epidermidisS. haemolyticusは各50%であった.ユニフォームの所持枚数や洗濯方法を含むユニフォーム管理を見直す必要性が示唆されたが,その根拠を明示するためにも,今後は看護学生のユニフォームから検出されるCNSの耐性率等を縦断的に調査したり,ユニフォームの理想的な管理に関する実証研究が必要と考えられる.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top