日本環境感染学会誌
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当院職員のワクチン接種歴と麻疹抗体価に関する解析
植原 友佳新後閑 俊之武谷 洋子井川 沙希子宮前 正憲安野 朝子
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2020 年 35 巻 2 号 p. 75-80

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抄録

本邦における麻疹の流行を想定し,当院では2016年から「医療機関での麻疹対応ガイドライン第六版」1)及び「医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版」2)(以下,ガイドライン)に沿って職員の麻疹含有ワクチン接種歴調査を行い,その結果に基づいた追加ワクチン接種を行うという対策をしている2).2017年に行った調査に基づく追加ワクチン接種の対象者は397名で,追加ワクチン実施者は319名である.ガイドライン遵守率は対策を行う前の48%から,対策後は89%まで上昇している.今回ワクチン接種歴の調査に加えて,職員の追加ワクチン接種前の麻疹抗体価の調査も併せて行ったところ,世代別の解析で40歳以上の麻疹罹患世代で70%以上がガイドライン抗体価基準値を超えているのに対し,28-39歳のワクチン1回世代で48%,21-27歳のワクチン2回世代で35%と,若年世代で抗体価が低い傾向にあった.接種歴2回者の中にも,抗体価陰性ではないが,抗体価がEIA法3.0未満の職員が1名存在した.十分な抗体価を獲得していない職員は麻疹を発症する可能性があると思われ,職員の管理上検討する必要があると考えた.

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© 2020 一般社団法人 日本環境感染学会
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