日本環境感染学会誌
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季節性インフルエンザのウイルス排出量をもとにした院内での隔離期間についての検討
安道 誠境目 容子丸山 久美子森口 美琴浜島 智央
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2021 年 36 巻 1 号 p. 60-65

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抄録

季節性インフルエンザでの入院患者の隔離期間に関しては,施設ごとで定められているのが現状である.当院に季節性インフルエンザ感染で入院となった患者の隔離期間について,2018年12月から2020年3月までに当院に季節性インフルエンザの診断で入院となった患者を対象に,リアルタイムRT-PCR法によるウイルスコピー数およびウイルス培養結果をもとに検討した.入院日,3日後,7日後に鼻咽頭ぬぐい液を採取し,ウイルスコピー数測定およびウイルス培養を行った.4例で検討を行った(73~90歳;男:女=3:1).ウイルスコピー数は4例中3例で経時的に減少していった(残る1例は7日後で再増加).ウイルス培養結果については,4例中3例が入院日および3日後で陽性であったが7日後で陰性化し,残る1例は入院日は陽性であったが,3,7日後で陰性であった.以上の結果から,時間の経過とともに患者が排出するウイルス量は減少し,感染力も低下していくものと考えられた.最も長い発熱持続期間は6日間であり,いずれも肺炎を併発していた.季節性インフルエンザでの入院患者の隔離期間を,症状出現後7日間あるいは解熱後24時間のいずれか長いほうとすることは妥当と考えられた.

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