日本環境感染学会誌
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短報
酒造メーカーが発売している高濃度エタノール製品の微生物学的検討
尾家 重治敷地 恭子
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2021 年 36 巻 1 号 p. 72-74

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抄録

酒造メーカーが発売の63~78 vol%エタノール製品について,手指消毒用以外の目的での使用が可能か否かを検討した.調べた9品目中7品目(77.8%)が100 mLあたり5~44 colony forming units(cfu)の微生物を含有していた.おもな汚染菌はBacillus spp.やPaenibacillus spp.などであった.対照として調べた消毒用エタノール(76.9~81.4 vol%エタノール;医薬品)の計3品目ではいずれも100 mLあたり0 cfuであった.酒造メーカー発売の高濃度エタノール製品はアンプル・バイアルの消毒や,輸液ルートの先端・刺入部の消毒などには適さないことが判明した.

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© 2021 一般社団法人 日本環境感染学会
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