日本環境感染学会誌
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症例報告
医療従事者から伝播したSARS-CoV-2院内感染と考えられた新生児例
片山 義規鳴美 英智
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2023 年 38 巻 5 号 p. 245-249

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抄録

NICUで勤務する医療従事者から新生児にSARS-CoV-2が院内感染したと考えられる事例を経験し,文献上国内で同様の事例がないため報告する.症例は在胎35週出生の早産児で,担当看護師が勤務翌日に咽頭痛が出現し3日後にSARS-CoV-2検査で陽性が確認された.患児も同日(日齢19)の核酸検査でSARS-CoV-2が検出され,NICU内の個室で管理したが無症状で経過した.新生児を管理する病棟で医療従事者がCOVID-19に罹患した際は新生児との接触状況を詳細に確認し,濃厚接触者の定義に該当すると判断した場合には接触児の隔離や積極的な検査等の院内感染対策が必要である.

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© 2023 一般社団法人 日本環境感染学会
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