日本環境感染学会誌
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総説
小児のCOVID-19後遺症
日馬 由貴
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2024 年 39 巻 5 号 p. 168-177

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抄録

2020年にパンデミックを引き起こしたCOVID-19は,重症度の低下や治療薬の開発などの要因により「新型インフルエンザ等感染症」から「5類感染症」へと感染症法上の分類が変更され,社会へ受け入れる段階に入っている.しかし,COVID-19後遺症については問題がほとんど解決されておらず,パンデミックに残された最後の課題であるといえる.小児において,COVID-19後遺症は教育機会の喪失,誤診,スティグマ,似非医療など,多くの疾患に付随する問題を抱えており,医療的な側面のみならず社会的な側面をもつ.したがって,患者と対峙する医師は内服治療にこだわることなく,本来の生活が送れなくなってしまったこどもたちを可能な限り本来の生活に近づけるよう,全人的に支援することが重要である.後遺症という捉えどころのない疾患概念を鮮明なものにするための病態生理や治療法の究明も求められる.この総説では,小児のCOVID-19後遺症について,疫学や症状,治療のほか,COVID-19後遺症の諸問題について概説する.

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© 2024 一般社団法人 日本環境感染学会
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