2024 年 39 巻 5 号 p. 178-183
順天堂大学医学部附属順天堂医院(以下,当院)では2010年4月より全病棟対象の中心ライン関連血流感染(central line associated bloodstream infection,以下CLABSI)サーベイランスを実施している.病院全体の感染発症例を明らかにする包括的サーベイランスは,多くの時間と労力が必要であり非効率であると考えられている.当院ではこれらの課題を克服するために電子カルテデータと抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team,以下AST)による感染症コンサルテーション業務から血流感染症例を抽出することでデータ収集に費やす時間が大幅に削減でき,「潜在的なハイリスク病棟」の把握が可能となった.本稿では当院における全病棟対象のCLABSIサーベイランスの実際と介入について紹介する.