2025 年 40 巻 4 号 p. 182-189
抗菌薬適正使用支援チーム(AST)薬剤師の専従化により,抗菌薬の副作用(ADE)への介入とその転帰がどのように変化したかを明らかにする目的で,AST介入の中で「ADEへの対応」を調査した.本研究は,入院患者を対象に,専従化前後(Pre群,Post群)で比較した単施設コホート調査である.AST介入におけるADEへの対応患者は,Pre群1.9%(5名/264名)からPost群7.2%(67名/936名)へ有意に増加した(p=0.002).ADEの重症度でGrade 1は,Pre群0件からPost群10件へ増加した.また,介入したADEの種類はPre群3つからPost群18つへ増加した.最も多く介入したADEは,Clostridioides difficile感染症19%(14件;Pre群0件,Post群14件),皮膚障害15%(11件;Pre群2件,Post群9件),好酸球数増加12%(9件;Pre群0件,Post群9件)であった.ADEの転帰は「回復」が87%(65件;Pre群5件,Post群60件),感染症治療の転帰は「治癒」が90%(53名;Pre群5名,Post群48名)と,それぞれ有意な変化を認めなかった.よって,AST薬剤師の専従化は,ADEへの対応患者の増加と共に,多様なADEの軽症での発見に寄与でき,感染症治療を完遂させる支援に有効である.