抄録
食塩水を電気分解して得られる電気分解産物水 (電解水) を用いてH. pyloriに対する消毒効果をH. pyloriが有するウレアーゼ活性を測定することによって検討した. 採取直後の電解水原液の遊離残留塩素濃度は20ppmでpH6.8と弱酸性であった. 電解水原液とH. pyloriを1分以上接触させると菌の増殖は認められず, 100倍希釈液でも10分間の接触で菌の発育が認められなかった. このことから本電解水は原液で用いれば1分以内でH. pyloriを殺菌できることが明らかとなった. また本電解水100倍希釈液でも10分間でH. pyloriに対する殺菌効果が認められたことから, 本電解水は殺菌効果があると考えられた.