抄録
速乾性手指消毒剤は簡便な手指消毒法として有用であるが, 瀕回使用するため手荒れ面でより改善された製剤が望まれる.該当する製剤としてウエルパス®とヒビソフト®を選び, 皮膚に対する影響についての客観的評価法である皮膚表面コンダクタンス (SSC), 経皮水分損失量 (TWL) に加えてビデオマイクロスコープ (VMS) による解析を前腕内側部で行った.SSCの測定結果では試験開始時と終了時の差がウエルパス®で6.6±0.8であったのに対し, ヒビソフト®では13.7±2.4と有意に保湿性に優れることが認められた (p<0.05).TWLの測定結果では両剤間に有意差はなく, VMS解析の結果では, 両剤間に有意差はないもののヒビソフト®のほうがウエルパス®より優れる傾向が認められた.3項目を総合すると, ヒビソフト®のほうがウエルパス®より, やや優れる傾向が認められた.