環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
宿主の感染防御機構と日和見感染症
一山 智
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 15 巻 Supplement 号 p. 8-12

詳細
抄録
感染症は宿主の感染防御機構を微生物の病原性が上回った場合に成立する. とくに日和見感染や病院内感染は, 宿主の防御機構に障害があることが多いため, 病原性が弱い微生物でも感染症にいたる. 宿主の防御機構は正常細菌叢, 機械的微生物侵入防止機構, 補体, 食細胞による食菌作用, および特異的免疫防御機構などがある. 一方, 日和見感染症を起こす微生物はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA), バンコマイシン耐性腸球菌 (VRE), セラチアやエンテロバクターなどの腸内細菌, 緑膿菌やアシネトバクターなどのブドウ糖非発酵菌, ニューモシスティス・カリニ, クロストスポリジウム, トキソプラズマなどが重要である.
著者関連情報
© 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top