環境感染
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県立広島病院における針さし事故サーベイランスと事故対策
平岡 徹郎桑原 正雄中村 優
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2001 年 16 巻 4 号 p. 297-302

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抄録
目的: 病院における針さし事故の発生状況を把握し, 事故予防策を検討する. 設定: 3次救命救急センターを持つ病床数755床の臨床研修病院. 方法: 質問紙法とエピネット日本版による針さし事故調査. 測定項目: 職種, 年齢, 経験年数, 職場, 感染症有無, 原因器材, 原因作業, 安全装置の使用状況など. 結果: 約3年6ヵ月の間に169件の針さし事故報告があった. 感染症はHIV1件, C型肝炎44件, B型肝炎5件であった. 原因器材は翼状針53件, ディスポ注射針37件, 縫合針19件, 静脈留置針12件の順であり, 原因作業としては器材使用中33件, リキャップ時33件, 使用後廃棄までが56件であった. 安全装置がありながら, 未使用の事故5件が報告された. 結論: 医療現場における職務の安全性確保のためには針さし事故サーベイランスを含めた病院感染対策の組織作りが重要である.
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© 日本環境感染学会
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