環境感染
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病院職員のMRSA鼻腔内保菌率調査とムピロシンによる除菌
伊藤 重彦大江 宣春草場 恵子金子 裕子藤武 隆文
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キーワード: 鼻腔内保菌, 院内感染
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2002 年 17 巻 3 号 p. 285-288

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抄録
病院職員の鼻腔内MRSA保菌率の推移とムピロシンによる除菌効果を検討した.隔年3回の保菌調査の参加者はそれぞれ407名 (1997), 54.名 (1999), 547名 (2001) である.職種別保菌率の推移では医師9.6%, 9.0%, 6.2%, 看護師6.9%, 3.2%, 3.6%で, 医師, 看護師以外の職員保菌率は3.98 (1999), 0.8% (2001) であった, 看護師の保菌率は初回調査後に手洗いの励行および感染対策マニュアルの遵守, 徹底を図ることで有意に低下した.保菌者に対するムピロシン軟膏による除菌率は3回の調査全体で94.4% (68/71) であった.除菌効果の持続時間を検討するため, 医師保菌者7名に対して完全除菌後3ヵ月後に再調査を行ったところ再保菌者は1名 (再保菌率14.2%) であった.保菌率調査は職員の感染予防への意識を高める良い機会であるが, それを契機に感染対策マニュアルの遵守を継続的に行うことがより重要である.
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