環境感染
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外国の病院に学ぶ感染予防対策-ICNの実務
金澤 美弥子桜田 則子新井 裕子管原 美絵龍口 さだ子池田 しづ子小塚 雄民川端 明美金沢 きみ代波多江 新平
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2003 年 18 巻 4 号 p. 435-439

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抄録

日本における感染予防対策は, この10年間で積極的に取り組まれるようになった.その結果, 経済効果や患者の負担軽減がもたらされる事への認識が高まり, 感染予防対策の実務を担う感染管理看護師 (以下ICNと略) の役割も増加してきた.しかし, 日本のICNはまだ, 人員的にも時間的にも十分とは言えず, また, 専任のICNも少ないので, 期待される膨大な実務を遂行するためには戸惑う状況である.
英国では40年以上前から, 一般看護師登録と専門課程受講を資格とした, ICN制度を導入し, 現在では, 全ての病院と地域に配置されるようなった.しかし, 配置人員は勧告を上回り, 約.00床に1名程度である.また英国も国民皆保険制度で感染予防対策の経済効果への期待も高い.英国のガイドラインでは, ICNの役割と責任は, ICTの実働の責任を担う者と位置づけられ, 24時間体制で感染対策上の問題に対応していく, と定められている.
日本と似た状況下でこの責任ある実務をどのように行っているのか, 知り得たいところであったおノースミドルセクス大学病院のICNに同行し, 実務を見聞する機会を得た.ICNは, ICTの実践の責任者として, ICTの年間計画に沿い, ラウンドやオーデット, 教育など実践に焦点を当てた活動を行っていた.ICNのスキルをもとに各部門との連携と信頼関係構築され感染予防対策がなされていた.

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© 日本環境感染学会
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