環境感染
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院内LANシステムを活用した中心静脈カテーテル関連血流感染サーベイランスシステム構築の試み
阿島 美奈岡垣 篤彦西村 美樹上平 朝子山崎 邦彦吉崎 悦郎勝 順子白阪 琢磨
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2005 年 20 巻 2 号 p. 112-118

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抄録
サーベイランスは, 病院感染の発生状況を把握し, 分析した情報をケア提供者にフィードバックすることによって, 感染予防対策の評価と改善を行うための活動であり, 病院感染管理上は対象を定めたサーベイランスが重要となる. しかし, 手作業と伝票の集積に頼ったサーベイランスでは, 実施に時間と労力を要するため担当者の負担が大きく, しかも報告書記載の不備や報告の遅延が生じれば不正確なサーベイランスとなる. 当院では省力化と正確性を目指して, 既存の院内LANシステムを活用したサーベイランスシステムを構築した. サーベイランスの対象として中心静脈 (以下CV) カテーテル関連血流感染 (以下BSI) を定め, 病院全体におけるCVカテーテル関連BSIのベースライン把握と, 感染管理サーベイランスを継続的に実施した. 本システムでは, アクセス権限を持つ感染管理者が病棟などの端末から院内LANを通じてサーバーにアクセスし, 感染情報をリアルタイムで入手でき, さらに当該患者を病棟配置図で識別できるので, 実際の感染管理上で有益性が高い. コンピューターネットワークを活用した本システムの導入は, 効果的な感染管理を少ない労力で効率よく実施する上で有意義であった.
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© 日本環境感染学会
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