環境感染
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血管カテーテルの衛生管理に関する研究
中心静脈輸液と輸液ラインの細菌学的検討を中心に
土井 まっ子荻野 洋二鈴木 麻裕近藤 陽子斉藤 麻子竹村 ひとみ
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2005 年 20 巻 3 号 p. 178-183

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抄録

中心静脈輸液を行った患者の輸液バッグと輸液ライン内の輸液から微生物を分離し, 汚染状況を調査した. その結果, 輸液バッグでは95検体中3検体 (3.2%), 輸液ライン54本中3検体 (5.6%) において細菌が分離された. 細菌が分離された輸液バッグは, 全て病棟において調製されたものであり, 薬剤部で無菌的に調製された輸液からは菌が分離されなかった. 細菌が分離された輸液ラインは, 三方活栓などのライン開口部から薬液の注入や採血などが行われたラインであり, 操作がなかったラインからは細菌は分離されなかった (P<0.05). また, フィルターの下流からも細菌は分離されなかつた. これらの結果から輸液の汚染を防止するためには, 輸液調製時と開放型輸液ラインからのアクセスにおける汚染を防止することが重要と考えられた.

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© 日本環境感染学会
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