環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
各種微生物に対する二酸化塩素の殺菌・静菌効果の検討
戸田 すま子渡部 節子松田 智子松田 好雄原口 俊蔵池田 耕三奥田 研爾
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 21 巻 4 号 p. 231-235

詳細
抄録

二酸化塩素 (ClO2) は安全性の高い消毒薬として古くから用いられているが, 各種微生物に対する殺菌効果を検討した系統的で詳細なデータはこれまであまり発表されていない. そこで今回我々は, 二酸化塩素 (クリーンメディカル®) を用い, その殺菌および静菌的効果の検討を行った. その結果, 二酸化塩素 (600ppm) を用いた場合, Salmonella enteritidisは5分間, Pseudomonas aeruginosa, Esckerichia coliは10分間, Serratia marcescensは15分間, Staphylococcus aureus, Candida albicansは30分間, methicillin-resistant Stphylococcus aureusは60分間の作用で, 菌数が検出限界以下になることが明らかになった. 二酸化塩素は安全性が高く, 一般的な消毒薬の一つである次亜塩素酸のような刺激臭も無いため, 病院内・介護施設等における環境・機器の消毒薬として大変有望であると考えられ, 今後医療の現場への更なる応用が期待される.

著者関連情報
© 日本環境感染学会
次の記事
feedback
Top