環境感染
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高水準消毒薬の殺芽胞効果に及ぼす温度および有機物の影響
小林 晃子尾家 重治神谷 晃
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2006 年 21 巻 4 号 p. 236-240

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抄録
Bacillus subtilisの芽胞をシリコンディスク上に付着させて乾燥させた後, 消毒薬を滴下して芽胞の殺滅に要する時間を検討した. 20℃において102 cfuレベルの芽胞を, 3%グルタラールは1時間, 0.3%過酢酸は1分, 0.1% (1000ppm) 次亜塩素酸ナトリウムは20分で殺滅効果を示した. しかし, 0.55%フタラールは殺滅に6時間以上を要した. また, シリコンディスク上で乾燥させた芽胞の上に0.1%アルブミンを添加して乾燥させた場合での消毒薬の殺芽胞効果は, 0.1%次亜塩素酸ナトリウムでは殺滅効果が遅延したものの, その他の薬剤では殺滅効果の遅延は見られなかった. 一方, 3%グルタラールの殺芽胞効果は, 30℃では30分で, 20℃では1時間で効果が得られるものの, 10℃では2時間が必要であった. また, 0.3%過酢酸は30℃では30秒で, 20℃では1分間で効果が得られるものの, 10℃では2分間が必要であった.
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© 日本環境感染学会
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