環境感染
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グルタラールに対する各種マスクの有効性の検討
阪口 勝彦野田 明宏
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2007 年 22 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
グルタラール使用時に呼吸器用保護具として使用されるマスクに注目し, その有効性を検証した. まず, 消毒作業時のマスク装着状況を調べるために, 和歌山県下の45施設を対象にアンケート調査を行った. その結果, マスク装着率は51.6%, また使用マスクの68.8%はディスポーザブルのサージカルマスクであった. 次に, 有効性を調べるために数種類のマスクを対象に, 国家検定規格試験方法に準じて除毒能力試験及び呼気抵抗試験を行った. 除毒能力試験の結果, G-7型防毒マスクは約172時間, 活性炭繊維使用のMS-51防臭マスクは約33時間, また活性炭シート使用のKM-E200防臭マスクは約50分間厚生労働省が示しているAGの環境濃度 (0.05PPm以下) を維持できたが, サージカルマスクは有効性が認められなかった. 呼気抵抗試験の結果, G-7は80Paと通気抵抗が高い値を示したが, MS-51は13Pa, KM-E200は11Pa, サージカルマスクは5Paと低い値を示し, 通気度が高いことが判った.さらにフィット性を調べたるためにマンテストを行った. マンテストの結果, 顔のカーブに合った立体接顔型のMS-51が最もフィットに優れていた. 以上の結果から, 特殊処理活性炭繊維で顔のカーブに合った立体接顔クッションを使用したマスクは手軽に使用でき, フィット性も良く, GAに対する防御能に優れていることが判った.
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