抄録
2006-2007年度のノロウイルスによる感染性胃腸炎の全国的な大流行に対して, 地域での流行状況や院内患者発生状況を指標に, 環境整備強化や共有場所の使用制限などの対策をフェーズ別に盛り込んだ「ノロフェーズ」を作成した. さらに, 院内LANを用いて, 症候サーベイランスとして日常的に行っている「下痢サーベイランス」を活用し, 院内LAN上に現在の「ノロフェーズ」を掲示することで全病院的に周知を図り, フェーズ別対策を迅速に展開するシステムを構築した.
その結果, 県内流行も収まった2007年3月, 全経過を通して, 入院患者での感染性胃腸炎罹患患者は, 1日で症状が消失した2名の軽症例と, 2名のノロウイルス診断確定例を含め, 計7名であった. 5病棟で患者発生を認めたがいずれも1名のみの発生であり, 同一病棟内での二次感染は1病棟で疑われたが, 患者発生は計2名で収束した.