抄録
院内環境汚染菌を除去する目的で, 病院内25ヵ所の清掃にC12 rich benzalkonium chloride (OSV) あるいは, Na2CO3を添加したOSV (OSV-Na2CO3) の消毒液を用いた時の細菌叢の変動について検討した. また, 環境汚染菌と患者由来菌の関連性について, Api-システムおよびID-テストを用いて調べた.
1. 病院内のいずれの場所からも一般細菌数は減少した. OSV単独に比べて, OSV-Na2CO3の方が除菌効果が強かった.
2. 病原性菌として, S. aureus, 腸内細菌群およびブドウ糖非発酵菌群を調べたところ, 一般細菌同様減少した.
3. 環境より検出された菌株は, 患者由来菌と関連性が強いことが示唆された.